2025年3月25日火曜日

12月21日 「里山保全とつながる霞ヶ浦の水環境と生物多様性」沼澤篤さん茨城県環境アドバイザー、霞ヶ浦市民協会研究顧問

 
12 月 21 日に宍塚公民館(Zoom 併用)で土曜談話会を開催しました。

茨城県の環境アドバイザーから講師の派遣をいただきました。
講師の沼澤さんは、霞ケ浦の生き字引のような方で、その保全する熱い思いがにじみでていました。
霞ケ浦の歴史、流域の自然生物、水質など幅広いお話がありました。
宍塚の里山は、霞ヶ浦の流域であり、霞ケ浦の一部です。宍塚での活動が、直接霞ケ浦の保全につながっている事を改めて認識しました。
これを機に、霞ケ浦の事をもっと学びたいと思いましたが、霞ケ浦の全体像を知るための 1 冊の本はまだ、出版されていないとのことでした。
ぜひとも沼澤さんが中心となって、とりまとめがされることを期待しています。霞ケ浦の保全には、とにかく多くの方々が関心を持つことであり、その沼澤さんたちの力強さに、未来を感じることができました。 森本信生


要旨(配布資料)


霞ヶ浦流域から河川を通じて湖水に流入する負荷(富栄養化成分)の割合は、生活排水、農業排水、畜産排水、工場・事業場排水などが多い。

魚類養殖は湖内発生の負荷であるが減少している。

森林からの負荷はゼロではないが、少ない。森林は湖水の水質保全に貢献する。
霞ヶ浦流域の森林率は約18%(日本列島全体及び琵琶湖流域の森林率は約65%)であり、東京都や大阪府並みに低い。

霞ヶ浦周辺は景観的には緑が多い印象だが、農地、果樹園の土地利用が多い。
原生林が残る筑波山麓の渓流は、集落排水や石材産業の影響を受けない地区では清流であり、桜川や恋瀬川の水質に貢献している。

一方、土浦、石岡などの市街地の河川、さらに鉾田周辺などの、畜産と野菜・果物栽培が盛んな地域を流れる河川からの負荷は大きい。

里山の平地林は面積としては大きくないが、土壌流出や斜面崩壊を防ぎ、谷津田に農業用水を供給し、河川水となって霞ヶ浦の水源になっている。
平地林面積は、高度経済成長時代(筑波研究学園都市開発を含む)は、ゴルフ場などのリゾート開発、住宅団地・工業団地誘致で激減した。
それは、霞ヶ浦の水質悪化が顕著に進行した時期に一致している。
平地林は、樹木自体と落葉層を含む森林土壌によって「緑のダム」として水源涵養機能を果たす。
平地林から流れ出る清流は溜池に貯められ、下流の農地に少しずつ供給された。
溜池と霞ヶ浦に流入する河川は繋がっており、水生生物の移動回廊である。
ヨシノボリやマシジミの分布は典型例である。カゲロウ・トビケラ類、ユスリカ類、トンボ類などの水生昆虫も含まれる。サギ類、カモ類、ウグイス類、猛禽類など、河川を通じて、里山と霞ヶ浦の間を移動する鳥類も多い。
また、ヤナギ、ハンノキ、エノキ、オニグルミなどの木本類、河川敷の草本類は、河川の水流と鳥類などによる種子の運搬・撒布で分布を拡げる。

里山と霞ヶ浦を繋ぐ小流・河川は動植物の移動に貢献し、生物多様性に寄与している。
霞ヶ浦流域における平地林保全の意義は大きい。

しかし、政治家・行政・企業家・一般住民の意識は薄い。
平地林(里山)は、住民が、そこに生息する生き物にふれあい、自然に親しむことで生物多様性の意義に気づき、環境教育の場になると同時に、水の流れを通して水田、河川、霞ヶ浦との、水文学的なつながりを実感する貴重な場所となっている。







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