2025年3月25日火曜日

11月16日 「小山市の里山保全」

 小山市の平地林保全

土曜談話会 8 月に、栃木県小山市長自らが全日程見学の案内という「すごい」計画でしたが、台風接近のため延期し、今回の訪問となりました。

市長の浅野正富氏は、弁護士で NPO 法人ラムサール・ネットワーク日本事務局長を歴任した方です。2021 年に初当選し 2024 年 7 月再選を果たしました。当会と 30 年以上協力をいただいており、百年亭の寄付の際は、応援メッセージをくださりました。

10 月 6 日には、大阪で活動する「NPO 法人里山倶楽部」の寺川裕子さんと、里山保全についての意見交換会も行っています。
環境問題で活躍した経験がある市長が、環境保全をどのように推進し、成果をあげているのかが全国的に注目されていると思います。

今回は、総合政策部ゼロカーボン・ネイチャーポジティブ推進課の方の案内をいただきました。
地球規模の人類の存続にかかわる環境問題の解決を前面に掲げたこの組織名を見るだけで、小山市の環境問題への取り組みを感じます。
その生物多様性保全、平地林保全の目玉となる雑木林等の見学を 7 人参加で 11 月 16 日に実施しました。


【コウノトリ交流館】
コウノトリは里山に囲まれた河川・池沼・湿原などに生息していましたが、日本では、1971 年に、野外では絶滅しました。2005 年に再導入が兵庫県ではじまり、千葉県野田市でも放鳥が行われています。
渡良瀬遊水地は広い湿地で、コウノトリの生息地として期待できることから、2015~20年に、実物大(1.1m)のコウノトリの模型(デゴイ)を渡良瀬遊水地に配置し、大木の樹上に巣を作る性質があることから、人工の巣台も設置しました。これが功を奏し、2020 年以来繁殖しています。今年も3羽の巣立ちが確認されています。
渡良瀬遊水地に関する情報発信やエコツーリズムの推進、地域活性化のために 2020 年に開館したのが、渡良瀬遊水地コウノトリ交流館です。古民家を改修した展示スペースや事務所、作業スペースの 3 つの建物からなっており、年間 1 万人の来訪者があるとのことです。


【渡良瀬遊水地】
とにかく広い。関東地方4県にまたがる本州以南最大の湿地で、有名な足尾鉱毒事件の現場です。今は首都圏を洪水から守る遊水地としての機能を担っています。2012 年にラムサール条約「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」の登録地になっています。
小山市は遊水地を担当する専門の部署を設置し、市民参加の「ヤナギ・セイタカアワダチソウ除去作戦」が 10 年ほど前から行われており、9 月は 450 人の参加があっ
たそうです。遊水地を見渡す堤防に着くと、間もなく、コウノトリが(5 羽?)歓迎の舞を披露してくれました。
広い湿地に悠々と群れで飛び回るコウノトリはのびのびとしており、いつもデカイと感じるアオサギさえ小さく見えました。


【しらさぎ館南側平地林】
河岸段丘の傾斜地で、脇には小川があります。市外に居住する地権者が、自己での管理が難しいため、市への寄付の申し出があった場所で、平地林の保全のモデルケースとして、現在計画を練っています。
孟宗竹がはびこっていますが、筍を取りながら、管理をすれば、生き物が豊富な森に生まれ変われそう。宍塚の自然と歴史の会の竹林管理の経験を活かしたいと、市の担当の方がおっしゃっていました。


安房(あわ)神社西側平地林】
安房神社の鎮守の森に隣接した雑木林で、林床の植生がよく残っており、水田跡地の湿地もあり、これらを組み合わせると、魅力的な保全場所になりそうです。


【東島田ふるさとの森】
小山市所有の土地で、広さは 2.7ha。保安林に指定され、2023 年後期に自然共生サイトの登録がされています。
西側に一級河川の思川が流れており、クヌギ・コナラなど雑木林で、下草刈などの管理がよくされており、見通しの良い雑木林です。


【憩いの森鉢形】
2023 年後期に自然共生サイトに登録、広さは2ha。農家の母屋がありその周りを屋敷林が取り囲んでいます。
ケヤキが多い雑木林、祠や竹藪などもあり、多様な植生が見られます。地域振興を目指す農家による養鶏が行われ、養蜂などが試みられています。


【国指定史跡寺野東遺跡・寺東遺跡資料館】
工業団地の造成に伴い発掘調査された遺跡で、旧石器時代の石器、縄文時代の大規模な集落跡、6 世紀から 7 世紀に築造された古墳、奈良・平安時代の集落跡などが確認されています。環状盛土遺構や水場遺構、石敷台状遺構、さらには出土した種や花粉をもとに「縄文の森」も復元され、寺東遺跡資料館が併設され貴重な資料が展示されています。


小山市は、地球規模の保全を掲げつつ、地域の湿地や平地林の保全の取り組みを進めていること、市の職員の方の熱意を感じました。
これからも、小山市との情報交換を緊密にし、保全を進めていこうと思いました。

 森本信生





0 件のコメント:

コメントを投稿

1月18日 「段ボールコンポストでSDGs」田上公恵さん

  今日は飛び入りでの参加、途中退室となりましたが、参加してよかったです! 田上先生や宍塚の先生方ともお話させていただき、大変貴重なひと時になりました。 実は、1 年程前につくば市配布の段ボールコンポストを受け取りに行ったまま、設置場所に悩み放置していた所でした。 匂いや虫カビの...