2024年9月9日月曜日

2024年5月18日「つくば市周辺の 子どもたちの育ちを考える」つくば子どもと教育相談センター代表 臨床発達心理士 穂積妙子さん

 
 穂積さんは、私たちの会の古くからの会員で、30年間にわたって、つくば市と、その周辺地域の子どもと保護者の教育相談に関わってこられました。当日用意していただいたレジメを掲載します。

【子育て中の参加者から】

・小学校で、英語、漢字なども、以前より学年ごとに習得すべき量が増えている。

・メールでいろいろな連絡が来る---スマホを手放せない。

・「教員の働き方改革」のため、この課題は家庭でやらせてください、という学校からの指示が多い。

 などの学校をめぐる状況が語られました。

                                    阿部きよ子



配布資料

1.幼児期の子どもたちの育ち


○保育園の園長先生の話・・・不安が強い、感情のコントロールが苦手の子どもが多い、発達特性がある子どもが増えた印象。


○心理士からみると・・・乳児期課題の、特定の親族や保育者との愛着形成がうまくできていない。それで幼児期課題の第3者への基本的信頼感が持てない。


○乳幼児期の発達課題の「保護者(親・保育者)といれば安心安全」「自分の周りの環境は少なくとも安心安全」と思える状況にない。


○早期教育の影響で、早くから「できるVSできない」の世界にとりこまれ「幼児的万能感」を持てず「できない」ことで自信を無くしている子どもが多く存在している。


○保護者が「ほかの子どもより早くできるようになること」に着目しすぎ、ゆっくり育ちを待つ、という姿勢を忘れている。

相談例】子どもが鏡文字を書くので心配、という相談をうけたが、その子どもは3歳だった。(3歳では右・左の区別は分からない)


○4から6歳は「遊びで育つ」と言われる時期だが、この時期の発達にふさわしい集団遊びが保障されていない。



2,児童期の子どもたちの育ち


○小学校、学童保育の大規模化

TX沿線の新設校、筑波山周辺の大規模一員校での諸問題・・・大きすぎることによる管理主義、子ども同士のトラブル、保護者組織の不在。


○小学校の教育内容の量的、質的変化・・・英語教育の高度化、プログラミング教育、グループ学習や発表力の重視。


○学習の遅れを心配する保護者の塾依存。

塾の成果主義、県立高校の不足問題


○保護者の経済力による教育格差の拡大。

・見えない貧困。親以外の祖父母、叔母などが相談にくるケース増加。

・生保家庭、教育扶助家庭が増え、地域での支援も広がってきているが、マンパワー不足や資金不足もあり支援場所の偏りが大きい。












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