2025年3月21日金曜日

9月24日 「宍塚大池由来の水草の系統保存」嶺田拓也さん

 大池の貴重な水草を絶やさないために

宍塚の里山の中心に位置する大池にはさまざまな生物が生息しています。
現在ではヒシや外来種のキショウブが目立ちますが、かつてはハスやクロモなど水草が豊富な池でした。
絶滅危惧種に指定されるオニバス(環境省カテゴリ:絶滅危惧Ⅱ類、茨城県:絶滅危惧Ⅰ類)、サンショウモ(環境省:絶滅危惧Ⅱ類、茨城県:絶滅危惧Ⅰ類)、イヌタヌキモ(環境省:準絶滅危惧、茨城県:絶滅危惧Ⅰ類)、シャジクモ(環境省、茨城県とも絶滅危惧Ⅱ類)など、多くの希少な水草も生育していました。

宍塚の自然と歴史の会では、2004年に東京大学と共同で水質の改善や当時大繁茂していたハスの抑制による水草相の回復などを目的に、池の水を落水する「池干し」を行いました。
その際に水槽にみられるオニバス水草の種子などを含んでいると思われる底土を採取し、ふれあい農園わきに大型の水槽を並べ水草の系統保全に取り組んでいます。
池干し後、大池内では期待していたような豊かな水草相は戻りませんでしたが、水槽内の土壌からはオニバスやジュンサイ(茨城県:絶滅危惧Ⅰ類)、クロモ(茨城県:絶滅危惧Ⅱ類)など多くの水草が発生し、アメリカザリガニの食害も受けないため、現在まで継続して生育が見られます。

一方、これまでは天水とときおりの井戸からの補水による水槽の水位の維持が近年の夏場の酷暑と少雨で難しくなり、昨年は井戸の故障もあり、大池の希少な水草の系統を絶やさないために、大池の水草を代表する「オニバス」と「ジュンサイ」について、その一部を昨年8月から「茨城県霞ケ浦環境科学センター(土浦市沖宿)」、「茨城県自然博物館(坂東市大崎)」、「(株)奥村組技術研究所(つくば市大砂)」の3か所に域外保全しています。

9月の土曜談話会(9 月21 日開催)では、このうち霞ケ浦環境科学センターと奥村組技術研究所に「里子」に出している大池のオニバスとジュンサイの状況を見学に行きました(総勢9名)。霞ヶ浦環境科学センター、奥村組ともに、ジュンサイは順調に生育しているように見えましたが、オニバスは宍塚の保全水槽と比べると貧弱な生育で、奥村組では全く見られない状態でした。
両所とも、オニバスの芽生えはみられたものの、浮葉を展開しだすと消えてしまう、とのこと、何者かによる食害や移植時に混生していたシャジクモなどの繁茂による生育阻害などが要因として考えられました。
今後とも、保全先とは緊密に連絡を取り合いながら、安定した域外保全の方法を確立するとともに、将来的には宍塚の保全水槽を含めた4者で相互に系統の保全を図っていきたいと考えています。

 嶺田拓也




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